特注装置の「似寄り図面」からの改造設計、外注に依頼する際の“失敗しない”指示の出し方(第36号)
はじめに
「前回のあの装置とほぼ同じだけど、ここだけ変えて」。
特注装置の設計現場で最も頻繁に交わされる会話です。しかし、この「似寄り設計」こそが、実は最もミスの起きやすい難所でもあります。外注に依頼した際、「意図が伝わらず、結局自分で修正することになった」という経験はありませんか?
今回は、似寄り図面からの改造設計をスムーズに進めるための、戦略的な指示の出し方についてお話しします。

1. 「変える場所」より「変えてはいけない場所」を明確にする
外注先に指示を出す際、変更点(改造箇所)の説明に終始しがちですが、実はそれ以上に重要なのが「流用元の仕様で維持すべきポイント」の共有です。
- 課題: 良かれと思って外注先が形状を整えた結果、既存の周辺部品と干渉したり、メンテナンス動線が死んでしまったりすることがあります。
- 解決策: 「今回の改造範囲」と「絶対に触ってはいけない既設範囲」を色分けした指示図を用意する。これだけで、手戻りの8割は防げます。
2. 「なぜ変えるのか」という背景(ストーリー)を渡す
「寸法を100mm伸ばして」という単発の指示ではなく、「ワークのサイズが大型化するため、この空間を100mm広げたい」という背景を伝えます。
- メリット: 目的が共有されていれば、AZA WORKSのようなエンジニア集団は、「それならこちらの干渉も考慮する必要がありますね」といった一歩踏み込んだ提案が可能になります。単なる「作業の外注」が、真の「設計の分担」に変わる瞬間です。
3. AZA WORKSが実践する「読み解く設計」
私たちAZA WORKSは、受け取った似寄り図面の行間を読みます。
過去の設計者がなぜこの構造にしたのか、その意図を尊重しつつ、今回の改造に最適な形へと昇華させる。古い2D図面しかない場合は、流用元を3D化して検討してから改造設計を行うことで、物理的な矛盾を徹底的に排除します。
おわりに
「似寄り設計」は、過去の資産を活かす賢い手法です。しかし、そのバトンタッチには少しのコツが必要です。
「指示を出すのが面倒で、結局自分で描いている」「流用設計のミスを減らしたい」とお悩みの皆様。指示書の作成段階からAZA WORKSがサポートすることも可能です。貴社の設計資産を、安全かつスピーディに次世代機へと繋いでいきましょう。
