「納品されたCADデータが編集できない!?」外注時のデータ形式トラブルと中間ファイルの落とし穴
発注時に必ず確認すべき「バージョン指定」の重要性と落とし穴
図面外注で納品された3Dデータが「修正できない」「開けない」といったトラブルに遭ったことはありませんか?STEPやIGESなどの中間ファイルとネイティブデータの違い、発注時に必ず確認すべき「バージョン指定」の重要性について解説します。
外注していた3Dモデルが納品されたので、さっそく自社のCADで開いて微調整しようとしたところ…
「あれ? フィーチャー(履歴)が一本もない…。ただの塊(ボディ)だ」 「これでは寸法変更も穴位置の移動も、一から作り直しと同じじゃないか!」
あるいは、
「『未来のバージョンで作成されています』というエラーが出て、そもそもファイルが開けない」
設計開発の現場で、こうした「データの互換性トラブル」に泣かされた経験はないでしょうか。 図面(2D/3D)の外注において、作成費用や納期と同じくらい重要なのが、この「納品データ形式」の取り決めです。
今回は、外注時によくあるデータ形式の落とし穴と、後悔しないための発注ポイントについて解説します。
「中間ファイル」と「ネイティブデータ」の決定的な違い
なぜ「編集できないデータ」が届いてしまうのでしょうか。その最大の原因は、「中間ファイル」でのやり取りにあります。
中間ファイル(STEP, IGES, Parasolidなど)
異なるCADソフト間(例:SolidWorks ⇔ Inventor)でもデータを渡せるようにするための共通フォーマットです。 形状(ジオメトリ)の情報は正確に伝わりますが、「どうやってその形状を作ったか」という履歴(フィーチャー情報)は基本的に失われます。
- メリット: どんなCADでも開ける。
- デメリット: 「スケッチ寸法を変更して形状を変える」といったパラメトリックな編集ができない。修正するには、肉付けやカットで無理やり加工するしかありません。
ネイティブデータ(生データ)
そのCADソフト専用の保存形式です(例:.sldprt, .ipt, .catpartなど)。 フィーチャー履歴、スケッチ拘束、アセンブリ合致などの情報がすべて残っています。
- メリット: 自社で作成したデータと同じように、寸法変更や履歴の編集が自由自在。
- デメリット: 同じソフト(または互換性のあるソフト)を持っていないと開けない。
「後で自社でも流用・改修したい」と考えているなら、ネイティブデータでの納品が必須条件となります。
まだある!外注データの「3つの落とし穴」
形式以外にも、発注側が見落としがちなポイントがあります。
1. CADの「バージョン」問題
CADソフトは基本的に「下位互換」です。新しいバージョンのソフトで保存したデータは、古いバージョンのソフトでは開けません。
- 外注先: 最新の2025年版を使用
- 自社: 安定稼働している2022年版を使用
この場合、外注先から届いたネイティブデータは、自社では「開くことすらできないゴミ箱行きファイル」になってしまいます。中間ファイルに変換すれば開けますが、前述の通り履歴は消えます。
2. 2D図面の「文字化け・線種」問題
AutoCAD(.dwg/.dxf)などの2Dデータでも、バージョンや設定の違いにより、寸法線が飛んだり、フォントが文字化けしたりすることがあります。特に特殊なフォントやカスタム線種を使っている場合は注意が必要です。
3. 属性情報(プロパティ)の欠落
部品表(BOM)を作成する際に必要な「材質」「質量」「部品番号」などのプロパティ情報が、データ移行時に入っていない、あるいは自社のルールと異なる形式で入力されているケースです。
AZA WORKSは「主要CADのネイティブ納品」に対応しています
私たちAZA WORKS(アザワークス)は、様々な業界のお客様に対応するため、主要な3D/2D CADソフトを完備しています。
単に図面を描くだけでなく、「お客様の環境ですぐに使えるデータ」をお届けすることが私たちのミッションです。
対応可能な主なCADソフト
- iCAD SX(機械装置設計に特化した超高速CAD)
- SolidWorks(業界標準の3D CAD)
- Autodesk Inventor
- AutoCAD(2D設計のデファクトスタンダード)
ここが違う!AZA WORKSの強み
「以前頼んだ業者のデータが使いにくくて困っている」 「社内の古いバージョンに合わせて作ってほしい」
そんなお悩みをお持ちの設計担当者様は、ぜひAZA WORKSにご相談ください。データの仕様合わせから丁寧にサポートいたします。
